真夏の危険地帯11

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「とにかく自覚がなさ過ぎんだ、お前は。で、いつ戻ってくるんだ」
「だから、それは……」
 元気は口ごもる。
 一平は腕を離し、ウイスキーのロックをぐいと飲み干すと立ち上がった。
「待ってるからな、元気」
 元気の耳朶に直接囁くように言い残して、一平はラウンジを出て行った。
「ったく…」
 元気は思わず耳に手をやった。
「しっかし、愛されてるねぇ、元気」
「はあ? 何言ってるんだよ」
 将清を睨みつけた元気はイラついてグラスを空ける。
「可哀想にな、一平って学生時代からずっとお前に報われない思いを抱いてさ」
 将清の言葉に元気は眉を顰める。
「え、そうだったのか?」
 優作まで身を乗り出して元気を見た。
「あいつとはずっとダチで仲間なんだよ。まあ、昔はちょっと戯れてたこともあったけどな」
 ぼそぼそと元気は付け加える。
「なるほど、複雑な人間関係ってやつだよな。豪と一平の板挟みになって」
「うっさいよ、将清」
 揶揄する将清に元気は言い返す。
「四年前は、それに優花ちゃんまで絡んでたから、お前、身を引くつもりで、田舎にひきこもったんだろ? けど、今は一応、お前と豪がくっついて、優花ちゃんも容認して事務所で仕事してるわけで、ああ、今は確か優花ちゃん、マサとつき合ってるんだし、お前、もうバンドに戻るのが一番いいんじゃね?」
 元気は将清を見つめた。
「お前、何でそう詳しいわけ?」
「俺をみくびるなよ?」
 将清はニヤリと笑う。


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