真夏の危険地帯24

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 あんのやろう! 調子に乗ってやりたいだけやりやがって!!!
 どうしようもないイラつきを、ついそっちに向けてしまう。
 健気に元気が散歩に連れて行ってくれるのを待っていたリュウと一緒に表に出て川べりを歩きはじめると、昨夜のことが次々と脳裏を走る。
 そもそもこんな時間になったのも、やつのせいなんだ!
 昨日豪が再び伽藍に顔を見せたのは、もう店じまいをする間際のことだった。
「メシ、行こう」
 豪がボソッと言った。
 豪の住む町への沿道に古民家を改造した居酒屋がある。
 最近豪が見つけたその店のオーナー兼板長とは同じ古民家に住む者同士で意気投合したらしい。
 路傍という名のその店の二階に家族と住むオーナーは四十代、元商社マンで十年ほど前この地を気に入って関東から移住したというところも、豪と話が合った。
 メニューは酒に合うつまみがメインで、素材を活かしたいい味を出している。
 親しくなるとちょっとした家庭料理も作ってくれるので、そっちを目当てにやってくる常連客も多い。
 豪に連れられて店を訪れた元気も煮物や玉子焼きなどの素朴な家庭料理が気に入って、ちょこちょこ通うようになった。
 こうやって飲みに出かけることも多いし、雛子との夕食は、店の時間の関係上、一緒に食べる時だけ元気が作ることになっていて、大抵はそれぞれ都合のいい時間にとるようにしている。
 だから朝帰りになったとしても連絡さえ入れておけば母親が干渉することはさほどない。
 しいて言えば、リュウの散歩の時間だけだろう。
 前もって言っておけば、雛子がリュウを散歩に連れて行くが、雛子は雛子で忙しく、絵手紙だ、俳句の会だ、ボランティアだ、最近太ってきたのを気にしてかジムなんてのもあったりと元気よりずっとスケジュールが詰まっていて、朝から友達と近くの温泉に入り、モーニングを食べて帰ってくるなんてこともよくある。


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