真夏の危険地帯37

back next  top  Novels


「いきなりやられた時は驚いたけど、あいつも多分同じ気持ちなのかと思ってはいた。けど、あいつ女も色々いたし、ほんとはどう思っているかとかわからなくなって、確かに俺のこと特別扱いしてはいるけど、それは音楽だけのことかも知れないって、俺からそんなこと口にして音楽の方に支障きたしても嫌だったし。やっぱこいつは俺だけのものにはならないやつなんだって、だんだん結構きつくなって、どうにもならない気持ちが重くて。でもそのうち、自分の中で何とか折り合いをつけることにした。俺って実は弱っちいからきついのはゴメンで。そんな時に豪に会った」
「一平はバカなんだよ。自分の気持ち、伝える術も知らない。あいつにとって女って、ひどい言い方だけど欲を満たすだけってやつ? お前さ、学生ん時、一平に親、紹介されただろ?」
 みっちゃんは珍しく苦々しい表情で元気を見た。
「一度な。たまたま一平んちに遊び行って、朝、起き掛けに飯食ってる両親んとこ連れてかれて。普通、一晩中やりまくって、いくらシャワー浴びたっつっても、アタマまだ乾いてもいねぇのに、親ンとこ連れてくか? しかも俺、男だぜ」
 一平の突拍子もない行動はよくわかっているつもりだったが、元気もさすがにあきれ返った。
「普通、しねーな」
「だろう? そんな状況で、はじめまして、なんて。でもなんでみっちゃんにそんなこと言ったんだ? 一平のヤツ」
「一平じゃない、真理子弁護士」
 里芋のあんかけにとりかかりながら、みっちゃんは答えた。
「って、一平の母親?」
「そ。だから、うちの社員がどうのと、鈴木弁護士事務所に相談行った時、お前のことだとわかって、真理子弁護士が、元気さん、グループに戻って下さったらいいのにねって」
「へ? 何で? そんな、GENKIのファンなわけ?」
「GENKIってより、お前の、だろ、お前のことえらく気に入ってて」
「一度会ったきりなのに? 確かに、あんな状況だったのに、怒られるどころか朝ゴハンすすめられて、大学のことくらい話したか、二人が出かけるまで和やかだったな。まあ、男だし、ただの友達と思ってくれたのか、一家弁護士とかエリート家族だから、許容量が大きいとか? でもそういうことよくあるんじゃね? 一平のことだから女と寝起きとかでもさ」
 いや、とみっちゃんは即座に否定した。


back next  top  Novels


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ

ようこそ、お立ち寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です。