真夏の危険地帯38

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「友達やら女やら家に連れてこうが何しようが好きにさせてたみたいだが、後にも先にもお前だけだって、フタ親に、しかも一平から紹介したとかって」
「はあ?」
「だからさ、真理子弁護士は、一平にとって特別な存在はお前だって知ってるし、むしろお前が早いとこ嫁にでもきてくれたらいいのにくらいな口ぶりだったぞ」
「はああ???」
「今考えると、そうか、だから結構力入ったのかもな、お前の正体隠しの件も」
「やめてくれ」
 これ以上話を複雑にしないでほしいと、元気は無暗に髪をかき上げる。
「一平にはお前だけで、お前も一平が好き、ってつまり両想いってやつじゃね? お前が元のさやに納まれば大団円」
「勝手なこと言うなよ、好きだったって言っただろ。今は……」
「豪がいるってか? でもさ、あいつだって、女がほっとかないし、優花も今はマサとつき合ってっけど、この先どうなるか、わかんないぜ?」
 みっちゃんの言っていることは、さんざん元気自身が考えてきたことでもあった。
 このまま豪と元気がうまくいくとは限らない。
 むしろ、いつか豪は離れていくのではないかという懸念は常にある。
「俺らもさ、俺と涼子、お互い別のやつとつき合ってたこともあったし、一時は涼子、会社辞めるまで言い出したこともあったけど、結局は腐れ縁、モトサヤ?」
「は…、お前らは割れ鍋に綴じ蓋、そのものだろ」
 元気は苦笑して、酒を飲み乾した。
「俺はお前らもそんなもんだと思うけど」
 みっちゃんの言葉は元気の心を揺るがせないではない。
 第一、豪とのことはとっくに終わらせたつもりで逃げ出したのだ、豪がここまで追ってくるとか、豪とこんなの関係になるとは予想だにしなかったのだ。
「去年、一平のやつ店に来たとき言ったよ、俺だけでいいって。けど、あの時はもう誰にも応えるつもりはなかったんだ、無論、豪のやつにも」
「あいつ、おっせぇんだよ、やることが。まあ、人の気持ちなんて、他人にはどうしようもないからな。けど、お前もなんで、もちょっと待っててやらなかったんだよ。あいつ、豪が現れてやっとジタバタしたんだ。ったくバカだよな」


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