真夏の危険地帯43

back next  top  Novels


 それこそ年より臭いことを心の内で呟いて、元気は紀子と笑いあっている豪をチラと見やる。
「鳴ってるぞ、携帯」
 洗い物をしている元気に東が告げる。
 わかっているのだが。
 何となく出たくないのは、着メロがみっちゃんからだからだ。
 要注意ということで先日着メロをわざわざ設定したのだ。
「はい」
 洗い物が済んでも切れないコールに、仕方なく出る。
「は? 千葉? 今週末? 何言って、そんな急に、え……おい!!」
 忙しいからと要点だけ並べ立てて切られた。
 何が非常勤任務だ!
 ギターのタダシが何と盲腸で入院してしまい、急遽助っ人は頼んだのだが、一平のノリが非常に悪いから、週末の土曜、千葉のライブ一日だけ、アンコールだけ出てくれ、というのだ。
 真夏の危険地帯ライブ、と題してGENKIは六月の終わりから九月の半ばまでのスケジュールで、東京を皮切りに全国主要都市を回っている。
 今ヒットしている曲のタイトルが「真夏の危険地帯」、詩、曲ともクレジットはG、元気だが、元気がつけていたタイトルはもっと地味目なものだったが、みっちゃんの手によって書き換えられた。
 まあ、そんなことはどうでもいい。
 振り返った豪と視線が合った。
「千葉って、元気、ひょっとしてまたライブ? 私も行く!!」
 紀子が大きな声で宣言した。
「ようし、そしたら、俺が車出すし」
 妙に陽気な声で豪が言った。


back next  top  Novels


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ

ようこそ、お立ち寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です。