そばにいたい11

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 今更誰に知られてもいいとは思っていたものの、佑人にしてみれば仲間との楽しい時間に蒸し返されたくはない話題だった。
「あ、でもほら、彼女を助けるために喧嘩したんでしょ? それで渡辺美月の夫がT大教授の成瀬一馬って書いてあって、あっ、成瀬くんだったんだって。お祖父さんが空手道場開いてるんですって? 強いんだ、成瀬くん」
「人んちの事情に無遠慮に首突っ込むんじゃねぇよ!」
 いきなり力に怒鳴りつけられた内田は、一瞬肩を竦めた。
「なーによ、そんな大きな声出して。別に首突っ込むとか、あたしはただ、週刊誌に載ってたから……」
「大抵、愚にもつかねぇこと並べ立ててっからな、週刊誌なんつーのは信用度半分以下」
 フンと坂本が言い捨てる。
「成瀬のこと書いてあんの? 週刊誌、俺、読まねぇし。かーちゃん、持ってるかな」
「てめぇはマンガでも読んでりゃいんだ、啓太」
「力、すぐガキ扱いすんだからな」
「ガキはガキらしく」
 東山も笑って啓太の頭をポンと叩く。
「何だよう、みんなして」
 人畜無害な啓太の仏頂面が場を和ませる。
「祖父が道場開いて、もう五十年になるらしい。父も有段者だし、兄はかなり強いよ」
「てめ、自分からぶっちゃけてどうすんだよ!」
「道場は実際あるんだから仕方ないだろ」
 佑人が言うと、力が今度は佑人にくってかかる。
「そうやっててめぇの腕を過信して、突っ走るからいろいろごちゃごちゃなるんだろがよ!」
「過信なんかしてない。第一好き好んでいろいろごちゃごちゃとかなってんじゃないし」


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