小草生月某日-8

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「男から見てもやつは、いつか俺もそうなってみせるぞ的に無駄にライバル心くすぐる存在なのかもしれないが、実際のとこ、そんなロマンチックな付き合いしてねぇからな。前にちょっと付き合ってたモデルのカレンにしたってそうだ」
「あっ、何か一時マスコミに騒がれてたスーパーモデル? 確かリッチなホテルで二人がってやつですやろ? ほんまに美男美女っていうより似合いすぎて思たけど」
 速水はフンと鼻で笑う。
「カレンやつ自分の運転していた車で姉を事故死させてからドラッグ依存症で、抜け出そうとしてもなかなか。日本に来た時も酒とドラッグでやばくなって手に負えなくなたマネージャが京助呼び出して、部屋ん中じゃゲロまみれで、カレンおとなしくさせるのにセックスしたってだけで、なーんもロマンチックなことなんかねんだよ」
 言いながら速水はどんぶり飯を平らげる。
「う……なかなかハードな話で……」
「だからそういう意味で甲斐甲斐しく世話をやくとしても、あいつが恋人のために歯が浮くようなロマンチックなシチュエーションなんざ、あんまし考えられねぇってこと。まあ、みんな見てくれで夢を見ちまうのは仕方ないだろうが」
「はあ」
 佐久間は何やらわけのわからないまま、茶をすすった。
 一方、パニクって学食を飛び出してあちこちうろついていた千雪は、ようやく少し落ち着いてきて、するとまた空腹を思い出した。
 で、思い余って飛び込んだのが、この個室である。
「何が悲しうて、俺が便所飯やね……」


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