かぜをいたみ 24

Novel ◆ 京助x千雪Top ◆ back ◆ next

——————————————————————————–
「でしょ? そうね、ヨシツネとベンケイがいれば、やっぱり、シズカもでてくるわよねぇ」
「まさか、アスカがシズカ、なんて笑える冗談言うなよな?」
 横から口を挟んだ誠に、アスカはくってかかる。
「なんであたしがシズカじゃいけないわけ?」
 詰め寄るアスカに誠もタジタジとあとずさる。
「わーった、わーった! おーっと、そーすっとあれか? ヨリトモなんかも出てこなあかんやん」
「そりゃーもー、ピッタシっちゃ、アレしきゃないぜ?」
 俊一もいい機嫌で声を上げる。
「アレやわな? やっぱ」
 誠もニンマリ。
「ほんで、その糸を手繰るとだ、尼将軍てのもいるよな? まさしくピッタシのキャスティング!」
 俊一は自分の発案に思わずゲラゲラ笑いだす。
「フン、理香だって言いたいんでしょ?」
 アスカがポロリと言う。と思うとこちらもケラケラ笑いだす。
「ほーんと、すっごい適材適所。現代版、ヨシツネ、ベンケイ、いけるよこれぇ!」
 そうとう酔っている。
「なんなら、話にのってやるぜ。千雪、ギャラは言い値で考えてやってもいい。どうだ?」
 工藤までが乗り出してくる。
「アホなこと言わんでください! 工藤さんが言わはるとホンマになる気ぃするわ」
「ホンマにしちまえよ、この際」
 ニヤリと笑う工藤に千雪は呆れた顔を向ける。
「やってられまへんわ、アホらしい」
 再び千雪の携帯が鳴った。
「あ、ハイ、どないなりました?」
 ようやく相手は渋谷だった。
 容疑者が捕まったときくと、千雪はほっと胸を撫で下ろした。
 弾みで妻を殺して逃亡していた男は、実家のある栃木に向かう途中、自棄になって強盗を働き、その町に潜伏していた。
 妻を訪れていたセールスマンが罪を被せられたが、たまたま近所のマンションで起きた事件で、千雪は男のアリバイ工作を見破り、男が犯人であることを渋谷に解明してみせた。
 その手前、それ以上罪を重ねさせたくなかった。
 それで自分も心当たりを探してみないではいられなかったのだが、宇都宮でバッタリ渋谷刑事と山下刑事に出くわし、山下にすごい剣幕で、すぐに帰れと怒鳴られた。
 在学中でもあんな怒りようはなかった。

——————————————————————————–
Novel ◆ 京助x千雪Top ◆ back ◆ next


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ

ようこそ、お立ち寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です。