かぜをいたみ 26

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   ACT 4

「あ、そだ、ママに連絡すんの忘れてた。ユキ、携帯かして。忘れてきちゃったの」
「ああ」
 思いにふけっていた千雪は、何も考えずにアスカに携帯を差し出した。
 アスカはコールしながら隅のソファに移動する。
 事件も解決してほっとした千雪だが、どうもいつもとは何か違う工藤が気になっている。
「ああ? 工藤? オスロから帰ってきたバッカだし、疲れてんじゃねー?」
 俊一の言葉にもまだ何となく納得できない。
 アスカが電話を終え、立ち上がったその時、彼女の手の中の携帯が鳴った。
 アスカは思わずそれに、「ハ~イ」と出てしまう。
「誰って誰よ!!」
 アスカが声を上げる。
 千雪はその応対にチッと舌打ちする。
「どならなくったってよーく聞こえてるわよ!! バカ!」
 アスカがまた電話に向かって怒鳴る。
 またかよ、と周りはアスカを見やる。
 京助以外に考えられない。
 アスカに「ヤバンジンからよ!」と携帯を渡された千雪が「何や」と言いおわるまでにまた受話器を通して怒鳴り声。
『てめー!! アスカなんかに携帯渡してなにやってんだ!!』
 思わず、千雪は耳から携帯を遠ざける。
「鼓膜が破れてしまうがな。大声出しよって」
 千雪はちょっと貸しただけだと説明する。
『青山か、わかった』
 ブチッといきなり切れる。
「わかったてなんやね……」
 悪い予感はあたった。
 十分も経ったろうか、京助が現われたのである。
 しかもシルビィも一緒だ。
 ハアハア言いながら顔を出した大きなハスキーは、千雪を見つけるなり嬉しそうに駆け寄った。
「何だ、今夜のデートはもう終わったのか?」
 京助が入ってくるなり工藤が茶化す。
「デートだ? 何だそれは」
 相当機嫌が悪い。
「美咲里乃だって? 今度のお相手は」
 工藤は尚も突っ込む。

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