花を追い12

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 グダグダ考え込んでいたので、後ろのドアが開いて乗り込んできた工藤に、慌てて、「お疲れ様です」と声をかける。
「忘れないうちに、チケットとパスポート、オンラインでチェックイン済ませてありますから」
 良太はリュックから工藤のセカンドバッグを取り出して渡す。
「弁当とか、食べました? これ、サンドイッチと缶コーヒー入ってますから」
 もしやと思って買っておいた近所のデリカテッセンの袋を差し出した。
「おう、明日………」
 袋を受け取って何か言いかけた工藤の携帯が鳴った。
「ああ、どうも。ええ、今夜の便です。仕方ないでしょうが、藤田さんに呼ばれたんで。はあ? 最初に押し付けてきたのはあんたでしょうが。はい、はい」
 どうやら相手は坂口のようだ。
 良太はエンジンをかけるとハンドルを切って駐車場を出る。
 首都高に乗ると羽田へと車を走らせる。
 湾岸線から空港西出口で降りると環八通りを進み、国際線ターミナルへと向かう。
 ターミナルについても工藤はまだ坂口とああでもないこうでもないと続けている。
 駐車場に車を停めると、良太はトランクから工藤のスーツケースを取り出した。
 ようやく工藤は携帯を切り、車を降りてスーツケースを受け取った。
「明日、ヤギがオフィスに寄るから聞いてやってくれ。それと、また打診していたヤツが降りたらしい。どこかでまた坂口さんとキャスティング練り直してくれ」
「あ、はい、わかりました。気をつけて」
 というしかないだろう、ここは。
 工藤もあちこち大変なんだから、文句も言ってられないか。
「お前も気をつけて帰れ。来週迎えはいい」
 たったか工藤が歩きかけたので、良太は運転席に戻る。


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