花を追い13

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 いつもながらにそっけない。
 搭乗口で見送るのも嫌だが、駐車場で別れるってのも何だかそぞろ寂しい気がして、良太はしばしぼんやり工藤の背中を見つめた。
 と、その工藤がまたくるりと踵を返してこちらに向かってくる。
 まだ何か言い忘れたのだろうかとパワーウインドウを下げる。
「なんか、まだありました?」
 良太は傍に立った工藤を見上げた。
 すると工藤はやおら良太の胸元を掴み、ぐいと引き寄せてぽけっと半開きの唇を塞いだ。
 え、何?
 頭は真っ白、思考は停止、良太には気が遠くなるほどの時間に思われた。
 約二分程で、工藤は良太を離し、
「また連絡を入れる」
 と言い残し、スーツケースを引いて去って行った。
 呆然自失の態でしばらく動くこともできずにいたが、良太はようやく我に返ってパワーウインドウを閉める。
 と同時に頭のてっぺんからかーっと一気に熱が上がる。
「だから何だよっ! あれはっ!」
 こんな公共の場で何すんだよっ!
 こんな時だけガイジンみたくなるんじゃねーっての。
 まあ、人がいても遠いし、夜だし、暗いし……。
 ってか、あんなエロいキス、すんじゃねーーっ!
「どうしてくれんだよ、俺!」
 良太は再び喚いたが、しばらくしてようやくのろのろとエンジンをかけた。


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