このオヤジはよ~(Buon Viaggio!)6

back  next  top  Novels


 ファインダーから覗くと結構二人ともイケテる雰囲気だ。
「ありがとうございましたぁ」
 笑顔を向けられて、良太もにっこり。
「どういたしまして」
 じゃあ、と立ち去ろうとする良太に、
「あんのぉ、あちらの方は日本人じゃないんですかぁ?」
 ははあ、サングラスを外しても外見上は日本人には見えないかもな。
 工藤は腕組みをしたまま、イライラが極地に達しようとしていた。
「よかったらぁ、私たちと一緒にぃ…」
「何やってる、早くしろ!」
 女の子が言いかけたとき、工藤はたまりかねて怒鳴る。
「ああ、社長が急ぐみたいなんで、じゃ…」
「すぐお前はまた、喜んで逆ナンされやがって」
 良太が急いで駆け戻るなり、工藤が文句を言う。
「な、いつ俺が喜んで…」
「タカヒロ!」
 抗議しようとした良太は、えっと声のした方を振り返る。
 またしても女だ。
 バンバンバン、と出るところは出て引っ込むところは引っ込み、しかも長身ですばらしい脚線美、正真正銘のミラノ美人というやつだ。
 ぺらぺらぺらと巻き舌で捲くし立てながら、ブロンドを揺らして〃タカヒロ〃に抱きつく。
 工藤はちっと舌打ちしながら、適当にあしらおうとするが、相手はひるまない。
「おい、ルクレツィア!」
 スーツの美人はようやく良太に気づいたように振り返り、ボンジョルノ、とにっこり笑う。
 だが、それも一瞬で、また工藤にしきりと甘えるような仕草をところどころで見せながら、何かを訴えているようすだ。
 むかむかを懸命に押さえつつ、それをバカみたいに見ていた良太だが、いくらバカでもその美人が工藤の言っていた〃知り合い〃だということはわかる。
 しかもただの〃知り合い〃じゃないことも明々白々。
「じゃあ、俺、帰るから! どうぞごゆっくり!」


back  next  top  Novels


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ

ようこそ、お立ち寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です。