恋ってウソだろ?!1

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 まさか、そんなことになろうとは自分でも思ってもみなかった。
 いくらハロウィンの夜だからってあり得ないって―――――――――――――。

    Act 1

 まぶたに走った光の帯が眩しくて、佐々木周平は寝返りをうった。
 朝か……何時だろ……
 気分は悪くないが、身体が重い。
 やっぱ夕べちょっと飲みすぎたかも………。
 できればもう少し眠りたいと、枕に頬をうずめた佐々木は、ふと額に暖かいものを感じて目を開けた。
 超絶な違和感に、一瞬身体が凍りつく。
 その状況を、佐々木はしばし理解することができなかった。
 目の前に横たわる男の腕枕で、まるで守られるように自分が眠っていたという。
 あきらかに自分の部屋ではない。
 部屋の相当な広さや調度類からして、おそらくホテルのスイートだ。
 次には頭より先に身体の方が動いていた。
 男を起こさないように静かにベッドを滑り降りた佐々木は、辺りに散らばった自分の服をかき集め、とりあえず昨夜クライアントに会うためにと選んだコーデュロイのタイトパンツを履き、シャツを着て上着を羽織る。
 転がっていた黒のトリッカーズを探しだしたが、慌てているので履くのにももたついた。
 部屋を出ようとして、大事なバッグを持っていないことに気づく。
 バッグはリビングで見つけた。
 ドアを閉める時、男が起き出したような気配を感じて振り返ろうとしたが、やめた。
 エレベーターホールの前で鏡を見て、佐々木ははたと髪を結わえていたゴムがないことに気づいたが、よもやそんなもののために部屋に戻ることもできず、とにかくロビー階へと降りた。
 支払いも男に任せた形になったことに思い当たるが、この際スイートなんぞに泊まるような男なら任せてしまえと、ホテルを出てタクシーに乗り、一番町を告げる。


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