みんな、はっぴぃ!22

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 テーブルの上がほぼ片付くと、「俺らこれから二次会!」と高津と悦子がタクシーを拾って去り、浩輔を伴って河崎も帰った。
「高津くんたちと一緒に飲みに行ってもよかったのに」
 高津たちが帰り、ぼうっと突っ立っている悠に、サンタから復帰した藤堂が声をかける。
「そんなの、誰が行きたいって言ったよ!」
 声を荒げた悠は、たったかゴミ袋を掴んで玄関に運ぶ。
「あとはいいよ、君たちもお疲れ様」
 どうも悠はご機嫌斜めだな、とちょっと首を振ると、藤堂は良太と小林に向き直る。
「あ、迎えきてもらうんで、良太送りがてら帰らしてもらいます」
 良太が食器洗い機に入らない食器を洗い、小林が拭いて食器棚にかたづける。
「おや、そう?」
 藤堂はふと、車の中での疑問を思い出した。
「ところで小林くん、君が本当の君を隠しているのは、もしや、悪の組織を垣間見たため、とか?」
「それって、藤堂さん、『コナン』じゃないですか、マンガの」
 良太は呆れてふう、とため息をつく。
「ハハ、まあまあ、良太ちゃん」
「別に深い意味はないんですよ、昔から女みたいや、とかからかわれよったし。こっちきて、別の自分になってみたいとか思て、高校卒業したとき」
 小林は何気に語る。
「なるほどーーー美貌の主にはそれなりの事情があると」
 うんうんと藤堂は一人頷く。
 そのコメントには小林がちょっと眉をひそめる。
 玄関でゴミをまとめていた悠はリビングに戻ってきたが、親しげに笑っている三人が目に入り、自分には入り込めないようで面白くない。
「アイちゃんの散歩行ってくる!」
 アイちゃんはその言葉の意味がわかっているようだ。
 すくっと立ち上がると、悠に駆け寄っていく。
 セーター一枚で出て行こうとする悠を、「ちょっと待て」と藤堂が呼び止めた。
「今夜はひどく寒いし、そんな格好じゃ、風邪をひくよ」
 悠はむすっとしたまま自分の部屋からダウンジャケットを取ってくると、アイちゃんにリードをつける。
「あ、こら、悠ちゃん!」
「何だよ、ちゃんと着てるだろ」
 ソファに放りっぱなしになっていた、交換プレゼントで悠がもらったマフラーを手に取ると、悠の首に巻きつけて前で結ぶ。


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