みんな、はっぴぃ!25

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 自分も悠の隣に腰をおろし、持っている紅茶を一口すする。
「うまいな」
「うん」
 しばらく静寂が続く。
 藤堂はどう切り出そうかと頭をめぐらしながらカップを傍の小さなテーブルに置くと、「悠ちゃん」とおもむろに切り出した。
「なんだよ」
 相変わらず無愛想だ。
「もし、悠ちゃんがここにいるのがいやなら、そう言っていいんだよ。俺は君を無理に連れてきたんじゃないかと、そのことは気になっていたんだ」
 カップを持つ悠の手が止まる。
「だから、もし、一人で暮らしたいのなら、敷金とか礼金とかは心配しなくていい。それはいつ返してくれても構わないから、だから……」
 ガチャン、とカップを乱暴にテーブルに置くと、悠はすくっと立ち上がる。
「わかったよ! 明日にでも出て行くさ! 別にあんたにこれ以上面倒見てもらおうなんてこれっぽっちも思ってねーから、心配すんな」
「悠……」
「まわりくどい言い方、すんなよ! 俺に出てって欲しきゃ、はっきりそう言やあいいだろ?!」
 思い切り喚いたと思うと、ぼろぼろぼろぼろ……と悠の目から涙が零れ落ちる。
 リュック一つで出て行ける、そんなことを思っていた。
 いざとなったら。
 だけど…………。
 悠はそのまま藤堂に背を向け、自分の部屋に向おうとした。
 藤堂は慌てて悠に追いすがり、その腕を掴む。
「待て待て待て! 悠ちゃん、何でそんなことになっているんだ? 俺は君に出て行ってほしいなんてそれこそ思ったことはないぞ」
「うっそつけ! さっきつれてきたあの小林って超美形を何とかしようと思ってるんだろ! こちとら、すりっときりっとまるっとお見通しなんだよっ」
 大きな目を涙でいっぱいにしたまま、悠は言い切る。
「悠ちゃん……それは大きな誤解だ」
 藤堂は柔らかく微笑む。
「とぼけようたって、そうはいなねーぞ! あんたが美人好きなのなんて、百年前からわかってんだよっ! 美人と見るとニタニタしやがって! 悦子にまで……」
 藤堂は掴んでいる腕をグイ、と引き寄せる。
「ほんとによく知ってるじゃないか」とにっこり。
「そりゃ美人は好きさ」
「てめー!!!」


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