好きなのに 118

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 即答する沢村に、佐々木はムッとしながらサングラスをかける。
「せっかくあんたと二人きりなのにもったいない」
「アホか」
 ニヤニヤしながら沢村は佐々木の横顔をしばし眺めていたが。
「俺はあんたを置いて行ったりしない」
 唐突に沢村が言った。
「あんたは俺のモンなんだからな。絶対、離してなんかやらない」
 佐々木が耳まで赤くなるようなことを断言する。
 ひとが運転しよるのに、そんなマジな口調で言うな! 事故ったらどないすんね!
「アホ、いきなりなんや……」
「うう、またしばらく遠距離かよ。夜のお供が写真だけじゃ寂しすぎる。やっぱ生のあんたじゃないと」
「ひとを食い物みたいに言うんやない!」
 かあっと頭に血がのぼった佐々木は思い切り怒鳴りつける。
 快晴の空の下、他愛なく言い争う二人を乗せた車は一路東京へと向かった。

 

 三芳のパーキングエリアで、沢村は運転を変わると言った。
「充分やすんだって」
 佐々木は仕方なく運転席を明け渡す。
「そういや、良太が心配してたぜ」
 ややあってから沢村が口を開いた。
「何を?」
「俺が良太を追ってきたみたいなことをアスカさんが言ったのを、佐々木さんに弁明しておけって」
「ああ、そういえば」


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