好きなのに 18

back  next  top  Novels


撮影が終わると、最近マネージャーと共にまるで見張るように腕組みをして睨みを利かせている平が植山を急かせて次のスタジオへと向かった。
平はあの事件後、佐々木と顔を合わせた時、植山とともに無言でしばらく頭を下げた。
工藤から佐々木には何も言うな、謝罪で何か関わりを持つような真似をするな、と釘を刺されていたためである。
良太経由で工藤からの伝言を聞いていたため、佐々木も何も言わなかった。
「ねえ、佐々木ちゃん」
多少の緊張はあったのか、植山一行がスタジオを出て行くと、ちょっとほっとしているところへアスカから声がかかった。
「はい?」
「スキーツアーのこと、良太から聞いてる?」
「スキーツアー?」
「そ。えっと、今度の金曜日から水曜日まで、軽井沢集合。もち、佐々木ちゃんもメンバーに入ってるからね」
佐々木は言葉に詰まる。
「あ、いや、俺は聞いてないけど………」
「そう? 直ちゃんにはちゃんと伝えたって言ってたけどな」
「じゃあ、直ちゃんは行くんやないかな。俺はちょっと……それにそんなに長くは…」
直子はひょっとして沢村とまた約束があるんだろうと気を回して、自分に知らせなかったのだろうと、佐々木は納得した。
「ああ、いいのいいの、金曜日から水曜日までのうち、いつでも。京助んちの別荘を拠点にしてあちこち行こうって感じ?」
「京助さんっていうと、綾小路の?」
何となく意外な話になっていた。
綾小路家とは実際隣同士であるが、 隣といっても、綾小路家の敷地は恐ろしく広い。
そのせいかどうか、母親が当主の奥方や小夜子に茶道を教えているとはいえ、あまり交流はない。


back  next  top  Novels


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ

ようこそ、お立ち寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です。