好きなのに 19

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 一泊二日くらい、行こうよ、佐々木ちゃん、と別れ際にアスカに言われてオフィスに戻った佐々木は、さり気なく直子に確かめた。
「あ、そっか、アスカさんから聞いたんだ? うん、良太ちゃんから誘われてるんだけど、佐々木ちゃん、沢村っちのこともあるし、無理に誘わない方がいいかなっと。それに、先週末疲れちゃったでしょ?」
 やっぱり、と直子の気遣いはありがたい気もしないでもないが。
「直ちゃんは行くの?」
「うん、浩輔ちゃんと藤堂さん、それに悠ちゃんも行くっていうし、金曜日行って日曜日戻ってくれば。なんか、いろんな人が来るらしいし、スキー、久しぶりだもん」
 コーヒーを運んできた直子は笑う。
「そっか、オフィス立ち上げてから、直ちゃんに何から何までやってもらってばっかで、ゴメン」
 急に、思い当たって佐々木は直子を見つめて言った。
「やだー、佐々木ちゃんってば、あらたまっちゃって! だから、あたしは佐々木ちゃんと一緒にこうしてお仕事できるのがハッピーなの!」
 ふわふわの髪が今日も可愛い直子の今日の装いはちょっと年代があがったゴスロリ?といったところか。
 キータッチも軽やかに、今度のプレゼン用の書類を作成している。
「俺も行こう」
 ポツリ、と口にした佐々木の言葉に直子は振り返った。
「何?」
「俺も行くって言うたんや。こないだはスキーもできへんかったし、今週は仕事さほどきつうないし、水曜は祝日やし思い切って月曜火曜休みにしよ」
 画面に向かったまま、佐々木は続けた。
 寒いのは苦手な佐々木だが、スキーとなれば話は別で、インストラクターの資格もあるほどだ。
「え……、直は嬉しいけど、だって、宮崎行かないの?」
「行けるわけないやろ? それに、ほら、トモちゃんの個展、今度の火曜日あたりまでやて。どこかで行ってこな……」


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