好きなのに 26

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 ソファに腰を降ろして恨み言をぶつけると、春日は豪快に笑った。
「押し付けたなんて、人聞きの悪いことを言うなよ。それで、仕事以外ではどうなんだ?」
「仕事以外?」
「とぼけるな、この」
 にやにやと春日は佐々木を見た。
「できたんだろ? 女」
「女?」
 ハトマメな顔で佐々木は春日を見上げた。
「納会、すっぽかしただろ? 直子は仕事でなんてごまかしたが、俺までごまかそうったってそうはいかないぞ。あれか、こないだの着物ショーん時の茶会であった女? ありゃ、人気キャスターだって?」
「え………いや、そんなんじゃないって。それより、トモちゃんの個展、行きました?」
 佐々木はさり気なく話をすり替えた。
「おう、行った行った! 会社からと俺から豪勢な花、贈っといた。お前が独立したことも話しといたぞ。ちゃんと案内状渡したから、そのうち顔出すぞってな」
「ああ、ありがとうございます。ほんと、忙しくてなかなか行けなかったんですけど、明日あたり行ってみようかと」
「美人に磨きがかかっとったぞ? ありゃ、向こうでいい男捕まえたな」
 春日は思わせぶりに佐々木の顔を覗きこむ。
「ハハハ、お前も言ってやれよ、こっちもいい女、捕まえたってな」
 佐々木は苦笑いを返し、しばらく仕事の話などをして会社をあとにした。


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