好きなのに 75

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 慌ててご飯や味噌汁をお椀に盛りつけ、残っている卵焼きや海苔を皿に取ると、佐久間は掻きこむように食べ始めた。
「佐久間さん、何回も起こしたのに全然起きなかったじゃないですか」
 同じ部屋の大が笑いながらお茶を用意して佐久間の前に置いた。
「うお、おおきに!」
 ゆったりと現れたのは理香とブロンド美人二人だ。
「コーヒーだけいただくわ」
 理香はサーバーからコーヒーをカップに注ぐと、空いている席に座った。
 リアとアストリッドもあとに続き、座り込んで何やら話し始めた。
「いやーん、どうして起こしてくれなかったのよ! 秋山さん」
 そこへアスカがバタバタと駆け込んできた。
「オフですからね」
「何よ、ケチ!」
 秋山に思いっきりブーたれて、アスカは残っているパンを皿に取る。
「あと五分だぞ」
「うるさいわよ、京助!」
 アスカはコーヒーを飲んでいる良太の前に座ってパンにバターを塗って齧る。
「もうちょっと早く起きれば、佐々木さんお手製のフレンチトーストがあったのに」
「ほんま、美味かったで」
 良太が言うと隣の千雪も頷く。
「うっそー! 佐々木ちゃん、そんな芸当、できるの?」
「芸当ってね……」
 紅茶を用意して持ってきた秋山が呆れた顔をする。
「ねえ、明日も作る? 今度は早起きして食べるから!」
「ええよ。早く起きられたらね」
 京助を手伝って片づけをしながら、佐々木は笑った。


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