Born to be my baby-デレクとルカ13

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「今回、Dr.Cを要求してきた『カフカ』については、さほど大きな組織でもなく、これまでは重要視されていませんでしたが、CIRUの潜入捜査員によって、バックにセバスチャン・オーフェルベックの存在が浮かび上がりました」
 画面に映し出されたブロンドの髭面、わし鼻の男はその眼つきからは年齢のわかりにくい表情をしていた。
「ニューヨークやLAの爆弾テロで捕まりましたが、数年前脱獄してヨーロッパに渡り、地下に潜ったと言われていました。それからの欧州での事件でもオーフェルベックの関与を疑わせるものがあり、これは先月パリで撮られたものです。そしてこちらはサパルムラト・ジブリール」
 今度はイスラム系の髭の男が映し出された。
「イスラム系テロ組織を率いるだけでなく、メキシコのカルテルをテロ組織と提携させて、武器や麻薬の仲介をしているとされています。このジブリールとオーフェルベックが手を組んだのではないかという情報が入っていますが、定かではありません。また、『カフカ』が大きく浮上した背後には、何らかの資金源があるとみて捜査中です」
「Dr.Cを差し出せと言われて、NASAの宇宙局がテロリストと取引なんぞするわけがない。十年前の事件の際も結構な損害を被ったらしいし、案の定スターリング長官はいくらでも援軍は送るが、Dr.Cの件についてはこちらでうまくやれと、こうだ」
 エミリの延々と続くかと思われた説明を引き取るように、ラコストが言った。
「そこでだ。君たちを呼んだのはほかでもない、ルカ、君にはDr.Cになってもらう」
「ちょっと何言ってんのかわかんないっすよ、部長、英語で話してくださいよ」
 答えたのはルカではなく怒りを含んだデレクの声だ。
「私もエミリもさっきから英語で話しているだろう」
「第一Dr.Cとか都市伝説じゃなかったのかよ? 前に軍事練習に参加した時、空軍の連中が言ってたぜ?」
「残念ながら都市伝説なんかではなく、実在の人物です。核弾頭を積んだミサイルとかにそんな精度の高いプログラムが使われたらそれこそ地球は終わりです。Dr.Cを巡ってはいまだに宇宙局は空軍との間にも軋轢があるようですが、宇宙局長官スターリングは断固としてDr.Cについては語ろうとしません」
 エミリが淡々と話を続けた。
「俺にDr.Cになって潜入しろと?」


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