Born to be my baby-デレクとルカ7

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「夕べホテルで一緒に騒いでいた女の子たちはどうしたんだ! あの娘達にでもコーチしてもえばいいじゃないか!」
「ちぇ、俺が転んでる間に、カックイイ奴見つけてさっさと行っちまったヨ! あんな女なんか妬いてないでさ、何とかしてくれよォ! ベイブ」
「ベイブとかいうな! 誰が妬いてるって?」
 ゴーグルの中の視線が険しそうだ。
 デレクはあせって、抑えろというような身振り手振りを見せた。
「ああ、えっと、OK! OK! OK! 前言撤回! だからさ、ルカ、俺にここで雪に埋もれて死ねっての? そんな冷たい死に方、俺やだよ。死ぬんなら、あったかーいベッドの上がいい。ルカ、頼むよ、起こしてっ!」
 一人で起きれないはずもなく、ただルカに甘えているだけだとわかってはいたものの、ルカはデレクのスキーを外して雪にグッサリ立てると、その腕を取って起こした。
「仕方ない奴だ! まったく!」
 立ち上がればガッシリと一九〇センチを超してルカよりはるかに背が高いデレクがニマニマと笑う。
 と、その時、ピ・ピ・ピ……とルカのポケットが鳴った。
「何だ?」
 デレクは雪を払いながらルカを見下ろした。
 ルカはポケットから、音のヌシを取り出した。
「はい、わかりました。すぐに戻ります」
 案の定だ、例の空港の爆破事件で犯行声明がドイツ連邦警察に届いたらしい。
「おいおいおい、休暇だろ?! 休暇! 電話なんか持ってくんなよ! なんで…」
「部長からだ。パリに戻るぞ! リッターが殺された」
 ザッ…言葉が終わらない内にルカの姿は遥か下にあった。
「戻るって、おい、待ってくれよォ! 誰だよ、リッターって」
 デレクは必死にルカの後について滑った。
 ルカも時々スキーを止めて、デレクの降りてくるのを待ってやった。
「遅いっ! 早く来いっ!」
 ルカの怒鳴り声がゲレンデに響いた。


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