春の夢 26

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 アレクセイは自分のグラスにウォッカを注ぎながら、苦笑いする。
「けど、実際よく分からなくなってきたんだ…最近は…」
「…まあ、ロジァのことをあれこれ言ったのは、半分はさっきの話の…親が絡むんだよ、子供には。面倒だろ? うちの息子をどうしてくれるんだ、なんてさ。しかも上司の息子だぜ。軽いラブアフェアを楽しみたいだけなら、何もそんな危ない橋を渡らなくてもいいだろ?」
「まあな、しかしな…お前は知らないだろうが、ロジァのことではな…いろいろとスターリングも苦労してるんだ」
 神妙そうな表情になったアレクセイを見て、ケンは言った。
「知ってる。ちまたじゃ、『ブラック』ってグループのリーダーだろ?」
 今度はアレクセイが驚いた。
「何で知ってる?」
「そりゃ、お前、俺の親父はハイスクールの校長だったんだ。いろんな噂が耳に入る。しかし、始めはあの噂の主とあのコマンドのボスが同一人物とは思わなかったんだ。けど、結構な怪我してくるし……やっぱりってさ」
「あいつを迎えにいって俺のカウンタックを潰されたんだ」
「へえ? 本当か?」
 面白そうにケンがソファから身を乗り出す。
「面白がってるな。一応、俺の熱意が通じて、ロジァが戻ってくれてほっとしてる」
「それでロジァと親しくなったわけか」
「いや、本当言って親しいかどうか…な。あいつの心の中は、未だもって分からない…」


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