春の夢 34

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 するとミレイユは顔を上げた。
「あなたも何か沈んでたわね、ここのとこ」
「まあね」
 アレクセイは苦笑いする。
「まさかあなたも恋愛で悩んでるなんてことないわよね?」
「ケンにしろ君にしろ、俺だって人間やってんだからな、恋愛問題で悩むことだってあるんだぜ」
「まさか、相手はカテリーナ?」
 アレクセイはミレイユをびっくりした顔で見つめる。
「どうして?」
「だって、あの子も最近変だから、ちょっと聞いたのよ。あなたにつんけんしてる気がしたから」
「それで?」
「別にそんなことないって言ってたけど」
「そうか…」
 アレクセイは溜め息混じりにグラスを傾ける。
「なあに? やっぱり彼女と何かあったの?」
「ちがうんだ。…でも、彼女の機嫌を損ねているのは確かに俺だろうな」
「どういうこと?」
「そういうことさ」
「話してくれたっていいでしょ? 同僚なのに」
 確かにミレイユなら真剣に考えてくれるかもしれないが。
「ウン…そのうちにな。悩んでいる相手は別の人間」
「求愛者が多過ぎて?」


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