春の夢 35

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 ミレイユが笑いながら尋ねた。
「冗談…マジに考えてるんだぜ。ちょっとやばい相手だし、深みにはまらないうちに、こいつはやめた方がいいかもって思ったら、沈み始めた」
「まさか、人妻とか?」
 アレクセイは笑みを浮かべて首を振る。
「それなら引かない。もっと厄介かもな」
「でも、例え相手が男性だとしても、悩みそうにないしな。あなたの場合」
「ハハ…それは言えてる…俺には反対するような家族もいないしな」
「でも相手の家族が反対するってことはあるかも」
 その台詞はアレクセイの心をドキリとさせる。
「ウン…それかもな…ちょっとニュアンスが違うが…つまりは」
「じゃ、相手は本当に男性?」
 ミレイユの声が大きくなった。
 静かな高級クラブである。
 ごめんなさいとミレイユはちょっと舌を出した。
「やっとお前らしくなってきたな。泣き顔なんか似合わないぜ」
「失礼ね。私だって泣くことくらいあるわよ」
 ミレイユは今度は小声になって続けた。
「でもあなたなら、男でも違和感ないって。あなたの女性の噂は当人が出て来たりして、いやって程聞いてるけど、男性関係って今までにもあり?」
「あるよ」
 アレクセイはきっぱり言った。
「やっぱり。ほら、男性の場合、あなたに夢中になる人もいるらしいっては聞くけど、誰々がって具体的には上げてないでしょ? ね、どんな人? ちらっと耳にしたんだけど、あのキリー・バーモントがあなたに言い寄ってるってホント?」


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