春の夢 36

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 我が意を得たりという顔で、ミレイユはさらに突っ込む。
「知ってるじゃないか?」
「え…本当なの? 超カッコイイ、ハリウッドの大スターじゃないの。そっか…でもあなたなら、誰でも許すわよ!……ステキじゃない!!」
「カッコイイ……ね…あいつが…?」
 ロジァが聞いたら大笑いするだろう。
 バラの花束を抱え、芝居がかった台詞を携えてキリーが部屋まで押し掛けてきた時、ちょうどそこにロジァが居合わせたのだ。
「どうして? 彼の両親が反対なの?」
 アレクセイはミレイユの顔を覗き込むと、眉を顰め、
「君には悪いけど、彼は趣味じゃない!」
 と言い切った。
「え、何故…?! あんなカッコイイのに」
「カッコイイなんてのはマイケルに言ってやれって。奴の方がずっとカッコイイ」
 学生時代ボクシングをやっていたというマイケルは、ただでかいだけの男ではない、引き締まった、実に理想的な体躯の持ち主でもある。
「ちょっと…アレクセイ、まさか、相手ってマイケルじゃないでしょうね?!」
「あのな…」
 アレクセイは呆れてミレイユに向き直る。
「マイケルを取らないでね! あなたが相手じゃ勝ち目はないもの」
「何言ってるんだよ。酔ってるな」


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