今度は皆、カテリーナを振り返る。
「スターリングに無理やりコマンドに入れさせられて…ロジァは、これで本当に辞めるんじゃない? 研究所内で騒ぎを起こした責任を取るとか言って」
「しかし、騒ぎを起こしたのは俺だ」
マイケルが主張した。
「ロジァはきっと自分が殴ったって言うわね。さっきスターリングが言ったでしょ? ロジァならやりかねないと思ったのよ」
カテリーナは言い切った。
「それで君はロジァが辞めたら喜ぶわけだ?」
アレクセイは苦笑いする。
「さあ、どうかしら」
カテリーナはプイと横を向いた。
途端、マイケルがボックスを飛び出そうとした。
「待てよ、マイケル」
ケンがそれを止めた。
「俺がやったって言ってくる! 俺のせいで…ボスが辞めるこたない。実際、この一年、うまくやってたじゃないか」
マイケルは拳を握り締めたまま出て行こうとする。
「待てっての!!」
ケンはマイケルの腕を掴み直す。
「頭冷やせって、ロジァが言っただろ?」