春の夢 46

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 自嘲気味な科白である。
「お前、何ヒネくれてんだよ?」
 そこへ、ロジァが戻ってきた。
 ムスッとした表情を隠せないでいた。
「どうなりました?」
 ケンが聞いた。
「保留です。仕事に戻って下さい」
 ロジァはそれだけ言うと自分のデスクに戻った。
 ケンにもとりつくシマがなかった。
「今更、優等生ぶらなくてもいいんじゃないのか」
 そんなロジァを横目に見ながら、アレクセイが自分のデスクからロジァに聞こえるように言う。
 ロジァはそれを無視した。
 内心はカッカきていた。
 ロジァはアレクセイとの意見の食い違いで自分が殴った、とスターリングに言ったのである。
 スターリングはそれがロジァのやめたいがための策略であると感づき、自分の言動を反省していた。
 そして、とにかく今後騒ぎを起こさぬよう、と言っただけであった。
「処分はどうするんです?」
「保留だと言っている。仕事に戻り給え」
 ロジァの質問に、スターリングはそう言って背を向けた。


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