春の夢 48

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 アレクセイはケンの説明に眉を動かしたが、口は開かなかった。
「英才教育のプロジェクトは今ないわよね?」
 ミレイユが聞いた。
「今はない。前の局長がそういうことやってたんだが、局内で爆破事件が何件かあったらしいし、子供を危険にさらすわけにいかないってことで、スターリングは廃止した」
「なるほど」
 マイケルが頷いた。
「スターリングはとにかく、そんなロジァをここに引き戻すために、ベッカーに指導させたんだろ」
 ケンが付け加えた。
「きっとコンピューターもロジァが『ブラック』のボスだってこと知ってたんだぜ。それでコマンドのボスだ」
 それまで黙っていたアレクセイが茶化す。
 が、切れた口の中が痛むので思わず顔を顰めた。
 途端にマイケルは本当にすまなそうな顔になる。
「い…痛むのか? 本当にすまん!! お前の顔を殴るなんて、俺は世界中のお前のファンや恋人から恨まれるぜ!! 下手すると殺されかねないな……」
「そうよ!! アレクセイを殴るなんて、前代未聞よ!」
 またミレイユが咎めるような口調でそう言った。
「言っとくが、カッとなったのは事実だが、アレクセイを目の前にしたら、勝手に拳が鈍った。お前の顔はちょっとまともに殴れない」
 マイケルが弁解する。
「そんなこと言ってるから、こいつが助長するんじゃないか! 何しても許されるってわけじゃないんだぞ」
 ケンの言葉は容赦ない。
「美しい人の特権よね、ケンったら、羨ましいんじゃないの? でも、ロジァが言ったみたいに、アレクセイ、マイケルのパンチを避けたの?」


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