春の夢 5

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 帰りがけ、駐車場で、ケンがアレクセイを捉まえて言った。
「お前、この頃、ボスをやたら引っ張り回しているが、どういうつもりなんだ?」
 アレクセイはちょっと驚いた。
「別に、お前らとだっていろいろ遊んでるじゃないか」
 ケンはすると、厳しい顔になり、
「白々しいんだよ。言っとくが、ロジァはまだ十六の子供だぜ?」
 そう言われては、アレクセイも隠すつもりはない。
「お前、そりゃ、ロジァが怒るぜ。十六なんざりっぱな大人さ。俺が国を出たのは十六だった。りっぱにラブアフェアだって楽しんだ」
「アレクセイ、誰もがお前と同じと思うのか? きさま、ガキまで手ぇ出すなよ。お前の周りには美女どもがわんさといるだろ? これだけは言っとく。ロジァはまだ坊やなんだ。お前の遊びの道具にはするな」
 ケンの忠告は結構辛辣だった。
 ケンは不思議と人の心を読むことができる。それはアレクセイも知っていたが、まさか、自分とロジァのことを気づいているとは思わなかった。
 改めてケンに『十六の子供』などと言われてみると、アレクセイの心は揺らがないではなかった。


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