春の夢 58

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 諭すようにケンは言いながら、ロジァの表情を窺った。
「下手するとコマンドにいる方がもっと危険度が高いんじゃねーの? だったら、さっさとコマンドなんかやめさせりゃいいんだ」
「本当にそう思う?」
 ケンはロジァの顔を覗き込むようにして聞く。
「え…」
 ロジァは思わず後に身体を引いた。
ケンは続けた。
「コマンドにとっても彼はやはり必要な人材だと思うけどね」
「だから、どうしろっての? 局長に俺から、彼がレースに出たからってやめさせないでくれって頼めって?」
「いやあ、そりゃ助かるよ。そうしてくれれば」
「分かった。ついでに、コマンドのボスはやっぱりアレクセイが最適だからって言えばいんだろ?」
 ロジァは言いながら立ち上がる。
「そうすりゃ、俺はめでたくコマンドを辞められる」
 ケンは少し慌てた。
「ちょっと待った、誰もそんなことは言ってない。この一年、コマンドはうまくやってきたじゃないか。君はそんなに、嫌なのか? コマンドの仕事が。せっかく少しずつ打ち解けてくれるようになったと思ったのに」
 ロジァは口を歪めて笑う。
「あんた、知ってっだろ? 俺はゴロツキのボスなんだぜ」
「俺からすれば、君はコマンドでも完璧なボスだったけどね。何が問題だ? やっぱりアレクセイか?」


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