春の夢 65

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 ケンはさすがにビビった。
 暴れながら叫ぶ。
「ちょ…待てって! 今日は予定があるんだって! また今度にしてくれよ! おい、ロジァ!」
 何だって、こう、誰も彼もがみさかいなしなんだ!
 こないだだって、アレクセイの奴、寝ちまわなけりゃ、本気でやってたかも…しかも、ハンスは気軽にやるって?
 冗談じゃない! ロジァまで!!
 ケンは心の中で喚き散らす。
「そのくらいにしとけよ」
 ふいに、ロジァの静かな声がした。
「これからって時に、何だよ」
 不服そうにポールが顔を上げる。
「こいつと約束があんだよ!!」
 睨み付けるロジァに、チッと舌打ちしてポールはやっとケンを放した。
 ケンは肩で息をついている。
「……ジョークは……ほどほどに……してくれよ」
「ジョークなもんか。ポールはあんたが気に入ったんだろ」
 ロジァはジーンズをはき、シャツを着た。
 ポールは煙草を銜え、
「また、今度な、坊や」
 とニヤリと笑う。


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