春の夢 69

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 それがいつか……だ
 アレクセイは心の中で呟いた。
 自分の計算に間違いはない。
 必ずそれは来る。
 しかし、その時間的な誤差はあるに違いない。
 果たしてうまくゴールするまで、エンジンが持ちこたえられるか、それとも……
 何のためにそんな自虐的な賭けをする気になったのか…。
 もはや長官の叱責は覚悟している。
 或いはその時にはクビがつながっているかどうかも分からない。
 
 
 唸りを上げて目の前を走り去るレースカーを見送ってから、ケンは気になっていることをハンスに問い正した。
「ああ、あのエンジンはパワーがあるが、下手をするとリミッターが聞かなくなってぶっ壊れるから、使わない方がいい、てなことをアレクセイは言ってたんだ。それが、ずっとパワーフル回転で走り続けている。あいつがデタラメを言ったとは思えないし、ちょっと異常なくらいのパワーなんで、薄気味悪くなってな…」
「何だよ、どういうこったよ?!」
 ハンスの話を耳にしたロジァが割り込んできた。


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