春の夢 70

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 ハンスは始めてこの少年をまともに見た。
「ああ、あのマシンのエンジン、アレクセイが退屈しのぎに考えたエンジンだそうだ」
 ケンが答える。
「アレクセイが?」
 ハンスはじっとサーキットを睨み付ける緑の目に気付いた。
「アレクセイのファンなのか? 坊や」
 ロジァはカチンとくる。
「誰がだ!! 冗談じゃねーや」
「ティーンエージャーの同僚は彼だよ、ハンス」
 ケンが言うと、ハンスはほう、と笑う。
「すると、宇宙局にいるわけか? 君も科学者? ひょっとして天才くんなのかな?」
 その言葉はロジァの神経を逆撫でした。
「二度と言うな、クソヤロー!」
 ちょっとドスを効かせたこの科白にハンスは目を丸くする。
 そして、ケンに肩をすくめて見せた。
 ロジァはハンスを無視して、サーキットに顔を向けている。
 何となく嫌な予感がした。


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