春の夢 71

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 二十周を数えても、まだアレクセイはパワー全開でトップを保っていた。
 ところが二十四週目、ピットインしたアレクセイは、ピットの中に緑色の二つの目を捕らえた。
 ピットアウト、アレクセイは心搏数が急に上がり始めたのを感じた。
 何故、ロジァがここに?
 眉を顰める。
 頭痛がしてきた。
 見誤りではない。
 パワーが一気に下降する。
 W.F.チームのロズベルグが距離を縮めてきた。
 ロジァを見た瞬間、それまでのひらきなおりの境地から現実に引き戻された。
 冷汗が滴り落ちる。
 さっき見たロジァの目の光が瞼の奥に焼き付いている。
 やっぱり!
 やっぱり、ここでロジァを放り出すわけにはいかない
 アレクセイは思った。
 しかしそれは言葉を変えれば、放り出したくない、ということではないのか?
 アレクセイは自問する。
 途端、目の前で周遅れのマシンがスピン、アレクセイは避けようとして慌ててこちらもスピンを免れなかった。


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