春の夢 74

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 ハンスはアレクセイが冗談で言っているのだと思った。
「タナボタ優勝ってやつだろ?」
「タナボタだろうが、なんだろうが優勝は優勝だ」
 上機嫌のハンスには悪いが、とアレクセイは思う。
 きっとこれが最初で最後の勝利だな。
 そこにケンが戻ってきた。
「いたか?」
 アレクセイは聞いた。
「なんと、Mr.ゲミンゲンが、ああ、俺達をヘリで運んでくれた人だが、いきなり帰るから、ヘリを出せと言われて送り届けたんだそうだ。あのすぐあと」
 アレクセイが煙の中から出てきてホッとしている間に、ロジァは消えていた。
ケンは慌てて探し回ったが、どこにもいない。
アレクセイはきっと帰ったのかもしれない、と言う。
やがて、ケンがゲミンゲンの姿をようやく見つけて聞いてみると、確かにアレクセイの言うとおり、今戻ってきたところだと言った。
「はい、レースが終わってすぐに」
 ゲミンゲンは言った。
「おっさん、帰るぜ。とっととヘリ出しな、とそう………」
 ゲミンゲンがロジァの口調そのままに話したので、アレクセイもケンも大笑いした。
 


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