春の夢 77

back  next  top  Novels


 局内でも、朝一番のニュースだった。
 だが、ロジァは目を合わせようともしない。
 アレクセイは、その背中を見つめながら苦笑する。
 ロジァが意地になっているのがケンにも分かった。
 アレクセイが炎に包まれた時、真っ先に飛び出したのはロジァだった。
 それにしたって、とケンは思う。
 アレクセイがここにいることで、何かが起きる気がしていた。
 そう、カテリーナか或いはミレイユか、そのどちらともかとアレクセイとの間に。
 ところが、だ、何とアレクセイのバカが手を出したのは、ボスだったとは。
 相手は子供なんだぞ……と奴を脅したが、どうやらロジァは奴にイカれてる。
 どうするんだよ、傷が浅いうちに、何とかしろよな、アレクセイ。
 それとも……
 ケンは心の中で呟きながら、アレクセイとロジァの背中を交互に見やった。
 
 

 アレクセイが戻ってくると、ミレイユがさっそく聞いた。
「どうだったのよ?」
「今回は見逃してくれるそうだ。まあ、昨日クビがふっ飛んでたら、見逃すも何もなかったけどな」
「残念だったよな。飛ばなくて」
 アレクセイの言葉に思わずロジァはカッとなって口を出していた。


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ