春の夢 8

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 仕事を理由に何度か断っていても、そのうち行かざるを得ないはめになる。
 さらに着飾ったレディたちとのオペラ、豪華な食事、たかがそれだけで、待ってましたとばかりにプレスは騒ぎ立てる。
 アレクセイという存在自体がそうさせないではいられないのだ。
「俺はスターじゃないんだぜ。俺を追いかけて何が面白いんだ」
 彼のぼやきは誰も取り合ってはくれない。
 その上同僚にまで、いかにも遊んでいると思われるのではたまらない、と思う。
 確かに、その豪華な食事のあとの雰囲気の延長上では、ラブアフェアがなかったとはいえない。だが結局その一夜の恋は一夜で終わってしまうことが常だった。
 最後の恋人と思ったブルースとの別れから、アレクセイは恋愛に対して妙に臆病になっている。
 そんなことを言っても誰も信じてはくれないだろうけれど。


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