春の夢 85

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 アレクセイは引き契ったシーツできつく太股の上を縛り付けた。
「状況を話してくれ。それによって、どこに応援を頼むか決めなけりゃならない」
 アレクセイはヒューに問いただした。
「俺はバイクでロジァを拉致した車を追ってった。脚はそん時撃たれた。相手はサイレンサーを使ってた。俺は車にバイクを体当たりさせて、そしたらロジァが車から自分で転がり落ちたんだ。車はすぐに止まって男が五人降りた。俺はロジァを拾い上げてバイクで突っ走り、なんとか逃げたんだが、撃たれた脚が木偶の坊になっちまって、仕方なくここに転がり込んだ。奴らは追っ掛けてきた。多分、まだその辺に潜んでる。俺達が警察なんかにお世話になれねーことを知ってやがって。血の跡でじきここも突き止められるかも知れねー」
 ヒューはしっかりとした口調で説明した。
「どういう奴らか分かるか? 外国人か?」
「……そんなこと、分かるかよ!!」
「…S国とかLとかだったら、コトだな…とにかく、何とかここを脱出しなけりゃ…」
 アレクセイの頭を不安が過る。
 すると、その時ロジァが言った。
「あれは…Sなんかじゃねー…」
 二人は振り返る。
「…軍だ…軍の将校だ…多分、空軍の…」
「何だと?」
 アレクセイは驚いてロジァを見つめた。
「…昔、見たことがある。あの顔は…俺は物覚えはいい方だ…特に気にくわねー奴は…ガキん時…」


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