春の夢 89

back  next  top  Novels


 ヒューはアレクセイを睨み付ける。
 フンとほくそ笑み、アレクセイは身を屈めてドアを開け、マグナムを構えた。
「迷惑かけてすまないな…もうしばらく、隠れていてくれ」
 震えながらソファの影に縮こまっている住人に、アレクセイは声をかけておく。
 三人は身を屈めたまま、ドア口に近付き、開け放たれたドアから外の様子を見た。
「廊下の後と前、両方の角にいる」
 すぐアレクセイは顔を引っ込める。
「いいか、俺は窓から派手に飛び出して奴らを引き付ける。その間に、お前らは逃げろ。南側二つ目の路地の右方向角に俺の車がある。そこからボックスに連絡しろ」
「バカ言え!! てめー、殺られちまってもいいのかよ!!」
 ロジァは思わず喚いた。
 アレクセイは笑みを浮かべる。
「殺られたかないさ…頼むぞ、ヒュー!!」
「冗談じゃねー!!」
 尚も頑張るロジァに、アレクセイはいきなりキスした。
「ここでくたばっても、俺が愛してるって、これで少しは認めてくれ…」
 そう言うか言わないに、アレクセイは寝室に走り、まさしく派手に外に飛びだした。
 たちまち銃弾が彼を襲う。


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ