春の夢 91

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 アレクセイはダストボックスの後から、頭を持ち上げた。
「証拠湮滅か? ベッカー少尉」
 ベッカーはアレクセイを見た。
「どうして君がここに?」
「部下に聞けば分かるんじゃないか? あんたたちが来るのが遅かったお陰で、あちこち怪我だらけだ」
 アレクセイはマグナムをホルスターに戻す。
「ロジァは?」
「ヒューが連れて逃げた」
 やがてドドド……という音とともに、何十台というバイクが大挙してそこに押し寄せた。
 そしてたちまち軍人たちを取り囲んでしまった。
「アレクセイ!! 大丈夫か? ロジァは?」
 ポールが訊ねた。
「無事だ。ヒューも」
「こいつらの仕業か? 俺らが始末してやる!!」
 今にもバイクごと飛び掛かりそうな勢いで、もう一度ポールが怒鳴った。
「残念ながら、違う」
 アレクセイがきっぱりと制した。
「本当か?」
「ああ…」
 そこへアレクセイの車が、乗り込んできた。
 バイクが道を開けた。


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