春の夢 92

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 車が停まって、中からロジァが降りた。
「アレクセイ!!」
 ロジァが叫んだ。
「ロジァ、カタはついたらしぜ」
 そう言って、アレクセイは笑った。
「…あんた、無事…?」
 ロジァはアレクセイを見つめ、やっとそれだけ口にする。
「…ああ。全然平気だ」
 アレクセイはまた笑った。
 ロジァはポールに解散していいといった。
 でないと軍人たちは動けなかった。
 ようやく、バイクの大群はまた地響きのような音とともに引き返していった。
「我々が来なくても、彼らが来ていたら、奴らは終わりだったかもな」
 ベッカーは言った。
「礼を言う。敵だと言わないでくれて」
「どういたしまして」
 アレクセイは答えた。
 ロジァはヒューと一緒に研究所内の医療施設に運び込まれた。
 局内には、医務室が三つある。
 一つはE及びWエリアの間に、一つはS及びNエリアの間に、あと一つは、局長、副局長室、コマンドとCエリアの間にあり、Dr.グシュトラインが常時待機している。
 医療施設はCエリアの一画にあり、そこには特殊医療プロジェクトも置かれ、十人程の医学者が詰めている。
 二人はそこで銃弾摘出手術を受けた。
 ロジァは打撲や擦り傷はあるものの、腕の方の怪我もそれほどではなかった。
 ヒューの方は出血がひどく、研究所に向かう時、既に意識不明だったが、命に別状はなかった。


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