春の夢 97

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 ベッカーは続けた。
「つまりDr.Cの存在そのものが、宇宙局のトップ・シークレットとして、局幹部の頭を悩ませることになったが、空軍側はとっくにその正体を突き止めていた。しかし、Dr.Cはアメリカ空軍だけが必要としているのではない。それは空軍から嫌というほど宇宙局は思い知らされた」
「じゃあ、何で、元空軍のエッシャーやあんたがここにいるんだ?」
 アレクセイは聞いた。
「エッシャーは空軍内では、まだ年端も行かない少年を軍事活動に利用するということに反対した一人だった。宇宙局に空軍からの人材を入れるというのは、当時の大統領の意向で、エッシャーは自らそれを望んで入ってきた。当時から私は彼の部下であり、ここでもそれは変わらない。私は局長直々にロジァのガードをするよう指示されている」
 ロジァという言葉は自然とベッカーの口からこぼれた。
「へえ、それで、空軍では、ある程度ロジァが育ったというんで、拉致しようとしたって?」
 アレクセイはまた揶揄した。
「その機会を常に狙っていただけだろう」
「冗談じゃないぜ、ロジァはモノじゃない、人間なんだ」
 強い言葉でアレクセイはベッカーに食って掛かる。
「君は私の質問に答えていない。何故、知っている? ロジァが話したのか?」


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