ひまわり 14

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 家に帰りたくない理由はそれだった。
「見合い?」
「そう。明後日。うるさい親戚がいてさ。親も再三、言ってくるし。俺も彼女連れてくような甲斐性ないし」
 すると、元気はふーっと息を吐く。
「散々、何だかだ言ってたのは、それか。そんなの簡単じゃん。気が合えば付き合えばいいし、あわなきゃなかったことにする」
「そう簡単にいくか。付き合うってことは結婚するってことだぞ。なかったことにするったって、よほどじゃなきゃ、男から断るったって…」
「お前、そしたら、断れないからって向こうが気に入ったら結婚すんの?」
 元気に突っ込まれて優作は言葉に詰まる。
「いや、そういうわけじゃ…」
「気が乗らないんなら、最初からやらない方がいいんじゃない?」
「いや…だから…俺も、そろそろ分相応の平凡な生活に入ろうかと思ってさ…見合いするって…」
「言ったのか?」
 元気の口調が強くなる。
「お前さ、聞くけど、好きなやつとかもいないの?」
 いきなり問われて、優作は戸惑う。
 心に引っ掛かりがないとは言えない。
 しかし、だからこその軌道修正なのだ。
「お前、自分がもてないみたいなことを言うけどさ、紀子ちゃんなんか、年末にお前にあってから、ずっとファンみたいだぜ? 優しくて素敵だって。そんなふうに女の子に言い寄られたことがないとは言わせないぜ?」


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