ひまわり 20

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  Act 5
 
 
 
「こっちはすっかり寒くなったな」
 ドアを開けると、店には客がぽつりぽつりといるだけだった。
「おい、優作、驚くだろ、急に。どうしたんだよ」
「出張のついで」
 優作はカウンターの端に陣取り、元気のオリジナルティーをホットで注文する。
 心とは裏腹に口はいつになく饒舌になり、会社のことや妙な画家に出会ったこと、うるさい評論家の噂、飽きもせずに聞いてくれる元気にしゃべり続けた。
 紀子は友達と旅行だという。
「ワイン、買ってきたんだ。飲まないか? 今夜、予定ある?」
「今夜は…まあ、別にいいが…母親いるけど」
「実はホテル取ったんだ。駅前のWホテル」
「いまさら水臭いぞ、俺んちにきたらいいだろ」
「いや、急だしな」
 優作は先にホテルで待ってるから、と言って店を出る。
 一足飛びにやってきた秋は、すっかり周囲の様相を変えていた。
 青々としていた山の木々には鮮やかな黄や紅が混じり、昼の日差しが暖かい、そんな感じの空気だ。
「ほんとに、今夜、平気だったのか? 突然誘っちまって、俺」


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