ひまわり 22

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 いつになく語気も荒く元気が訊いた。
「ちょっとした見栄だろ? だってさ…、将清のやつ、社長の娘かなんかと付き合ってるらしくて。結婚、するらしいし」
「結婚するらしいって、将清にちゃんと確かめたのかよ?」
「いや。最近はあんまり会ってない。忙しいんじゃないの? その彼女のお相手で」
 既に優作は二本目のワインのコルクを抜いている。
「 お前、それで、やつの結婚式に招待とかされて、スピーチとかすんの? 大学から同じなんだから、当然オハチが回ってくるよな?」
 しばらく元気はワイングラスを玩びながら、ゆっくり飲んでいたが、ボソリと言った。
「そりゃ……」
 新しいワインをグラスに注ぐ優作の手元は、酔っていてちょっと心許ない。
「スピーチくらい、やんなきゃな。俺の時も、やってもらわなくちゃならないし」
 優作はグラスのワインを一息に空ける。
「これ、美味い。何だ、元気、グラス空けろよ。飲みが足りないんじゃないのか?」
 ふらふらと手を延ばす優作を制して、「いい、俺が…」そう言いかけた元気は、じっと優作を見つめた。
「おい、優作…」
「え、何?」
「お前、何、泣いてるんだ?」
 そう言われて、優作は自分でも驚いた。
「え、ウソ、俺、すんげー酔ってるのかな…」


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