ひまわり 24

back next  top  Novels


 元気は、「それで?」と先を促しながら、ローストビーフを摘む。
「うん…結局、親戚の薦める人と見合いしたのはいいけど、結婚とか、そういう気にはなれなくてさ。でも将清にはつい見栄張っちゃって、つき合ってるなんて言っちまって…そしたら、先にあいつの方がゴールインさ。ハハ…何やってもあいつには勝てなかった」
 優作は一息にグラスを空ける。
「笑えるだろ? その話聞いた途端、俺、足元から地面が崩れてくみたいな気がしたよ。ああ、これで、俺の横からもう将清はいなくなるんだって思ったら…フツウじゃないのに、俺、どうしたらいいかわかんないよ…」
 優作は膝を抱えて顔をそのまま伏せてしまう。
「あのさぁ、お前がフツウじゃないって思ってるのは、よーくわかったけどさ」
 ようやく元気が口を開く。
 顔を伏せたまま優作はその次の言葉を待っているが、「うん、このローストビーフ、んまい!」と元気は茶々を入れるので、優作は思わず顔を上げる。
「お前、俺が何言うの、期待してんの?」
 途端、辛辣な響きを持った元気の言葉。
「お前がフツウだろうとなかろうと、んなこた俺には関係ない。俺が将清なんかととっとと別れて、田舎で嫁もらえって言ったら、お前、そうすんの?」
「元気…」
「将清がどうした、将清がこうしたって、言うけどさ、要はお前がどうしたいかだろ? 他人に危害を及ぼさない限りはさ。まあ、家族にはそんなの許せないって思われるかもしれないが。せいぜいその程度だ。んなもん、お前にだって、100年後にはフツウだろうと何だろうと、てーんで関係なくなってんだぜ? どうだ? 俺の予言は正しいだろ?」


back next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ