ひまわり 25

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 喫茶店のマスターの顔とは別の、冷ややかで厳しい顔の元気を知っているのは、長年友人をやっている人間だけだ。
 穏やかそうな表情ばかりに慣れきっているところへ、バクダンを落とされて、みなは時折驚くのだ。
「ウジウジ、グタグタ、言ってんじゃないよ」
 ビクン! と優作の肩が飛び上がる。
「お前、嫁もらわなきゃとか、将清に女がいるとか、違うだろ? お前、将清が好きなんだろーが? だったら、とっととやつにそう言えばいいだろ。それができないんなら、すっぱり諦めちまえ! わかったか?」
「う…ん」
 勢いに押された形で、優作はコクリと頷く。
「ったく、煮えきらないやつだな。………まあ、俺も人に言えたギリじゃないんだが」
 元気は自嘲するようにちょっと笑う。
「現実社会ってのは、自分で行動しないと前に進まないの。待ってたって、王子様が迎えにくることもないし、正義のヒーローが駆けつけてくれるなんてこともないの」
 そう結論づけると、元気は、さてと、と立ち上がる。
「まあ、一晩飲んだくれて、あとはすっきり頭冷やして考えるんだな」
「え…帰るのか?」
 殆どすがるような目で見あげる優作は、すっかり泣き上戸になっていた。
「リュウの散歩もあるし。それに、違うんじゃないのか? そういう目で見る相手は。電話でもしてみろよ。将清のやつが飛んできてくれるかもしれないぜ」


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