ひまわり 7

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 Act 2
 
 
 
 夜は酒も扱っていて開けることも多いのだが、元気は七時で店を閉めた。
 優作は携帯で家に電話を入れると、仕事で帰るのは明日になるからと言い訳する。
 暇だったので、優作は紀子が帰った六時過ぎからカウンターに入って洗い物などをして、元気を手伝った。
 車で一緒にスーパーを回り、買い出しをしてから、元気は優作を数件先の自分の家に案内した。
 オン、と一声吠えて、尻尾を振りながら寄ってきたのは、元気の愛犬でリュウ。
 名前の由来は聞くまでもない、ドラゴンズ。
「今年は絶対優勝だっ!」
 あの美形が野球、それもドラゴンズとなると豹変するのを学生時代からの付き合いである優作はよく知っている。
 野球に関しては、生粋のジャイアンツファンである将清と真っ向から対立している。
 材料を広げるなり、元気はキッチンの小さなテレビをつける。
「そういえば、家に仕事だなんて言ってたが、よかったのか? 本当に帰らなくて」
「ああ、いいんだ。別に。どうせ、姉さんが子供連れて帰ってて、うるさいばっかだろ」
 松本にある実家は、いつもは猫が数匹と父母だけで静かなものだ。
 東京にいてたまに母親からの電話を取ると、里心がついたりするのだが、帰るたびに何だか老けたような父母の顔を見るのが寂しい気分にもなる。
 元気が焼肉の材料の下拵えをしている間に、優作はテーブルにグラスや食器の用意をした。
「わかるわかる、お盆の二、三日はうちもうるさかったぜ。兄貴が東京から帰ってたし。まあ、甥っ子は可愛いんだけどね」


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