ひまわり 9

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 元気が抗議しようとするのを優作は押しとどめる。
「お前はさ、ここで喫茶店のマスターやってても、ギタリストやってても、どこでも輝いてるんだ。俺にはそう見える。現に、この街に引っ込んでからも、お前の周りにはいつも人が絶えない。第一、バンドだってやめなくちゃならなくてやめたんじゃない。だから、メンバーもお前を何かのきっかけさえあれば、呼び戻そうとする。お前のことを慕うファンは、未だに店までやってくる」
「そんなの、もう、時間の問題だぞ」
「いや、つまりな、それだけのことを言いたいんじゃないんだ。お前は、どこにいても、どんな仕事をしていても、どういう生き方をしていても輝いているってことなんだ」
 優作はグラスを空けると手酌で酒をつぎ足した。
「俺は、違う。当たり前の仕事をして、当たり前の人生を歩むように、できてるんだ」
「お前、せっかく特訓したのに、スキーツアーでやっぱり女の子がみんな、将清になびいたこと、まだ根に持ってるわけじゃないだろう? そういう子は、派手なものしか目に移らないだけだろう。お前等のら、って将清のことだろ? 当然」
 元気はとくとくと酒を自分のグラスに注ぎ、また空になった優作のグラスにも注いでやる。
「あいつは生まれた家も旧家だし、金持ち息子ってだけじゃない、世界のいろんな国で、いろんな教育受けてるし、マメで気さくで優しいし、加えて男前だし、まあ、もてない方がおかしいよな」
「何だよ、無節操なやつって、昔はさんざこき下ろしてたじゃないか。俺も含めて」
「それは、単純にもてない男のやっかみだよ」
 優作は自嘲する。
「お前な、今、彼女がいないってのは、俺もご同様なんだぜ? それにお前の場合、もてないというのと、ちょっと違う気がするが…。何だ、将清と喧嘩でもしたのか?」
「別に、してない……あいつは今頃、女の子たちとハワイでバカンスってとこだろ」
「ふーん。だってさ、二年の夏だっけ、お前等バイクで仲良く来たじゃないか。ちょうど、親父が川釣りに行くって言うんで一緒にテント張ってさ」
「仲良くなんて、いう歳かよ」


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